08.04.29再掲

都区内発青森経由沖永良部ゆき

その1:花輪線の風/急行あおもり1

東京都区内 → 鹿児島中央 経由:新幹線・好摩・花輪線・奥羽線・羽越線・信越線・北陸線・湖西線…
切符には経由地が書ききれなかった。日本を半周したあとYS11で離島に渡り、再び鉄道三昧しながら帰る旅である。

盛岡駅新幹線改札で、乗り換え案内に花輪線の文字を追う。 どうやら東北線や山田線などの在来線とは違う所にのりばがあるようで、一旦改札を出ないといけないようだ。 花輪線・岩手銀河鉄道と書かれた案内板を頼りに歩いていたはずなのに、通路を右へ左へ歩いているうちに迷ってしまった。 発車まであと10分しかない。 花輪線・銀河鉄道方面乗り場は駅北側のずいぶん辺鄙なところにあるようで、せめて他線との連絡通路くらい作って欲しい。 改札で鹿児島中央行きの切符を見せてホームへ向かう。 しばらくして1番線に列車が入ってきたが、これには乗れないらしい。 リバイバル国鉄カラーになったキハ58コンビに盛岡色のキハ52が一両。 つづいてすぐに隣の0番線に大館行きがやってきた。 こちらも国鉄カラーの58二両にキハ52という編成。 冷房はついておらず窓は開け放たれ、扇風機が元気いっぱい回っていた。

盛岡駅到着 キハ58 1523 キハ52 キハ52 151 キハ52
国鉄型競演 国鉄色競演

好摩でIGR岩手銀河鉄道と別れると、車窓は一層のどかになる。 晴れていれば右手には岩手山が望めるはずである。 すっきりしなかった空も次第に青空が広がり、窓から入り込む風が心地よい。 松尾八幡平、安比高原。緑が豊かである。 いつのまにかうとうと眠りこんでしまった。

花輪線車窓 花輪線車窓 花輪線車窓 花輪線車窓 花輪線車窓
花輪線車窓 北森 花輪線車窓 花輪線車窓

気が着くと湯瀬温泉というところだった。 いつの間にか人家も増え、僕の知らない津々浦々で人々の日常の営みが繰り広げられているのかと思うと不思議な気もする。 鹿角花輪ですれ違った快速が未更新のキハ58。写真を撮っておけばよかったと後に悔やむが遅い。 十和田南で進行方向が変わるので停車時間に少し降りてみたが、どうということもなく、のどかなところであった。

キハ58車内 十和田南 十和田南 十和田南 大館 キハ52 151ほか
大館 キハ52 大館 大館 キハ58 1525 大館

ぼんやりと景色を眺めていると、大きく右にカーブを描き、奥羽線を乗り越えて大館に到着。 写真を撮っていたら改札を閉められてしまい、なぜか駅併設のコンビニから外に出られる仕様だったので買い物がてら出場。 青森までの切符を買って再びホームに行く。それにしてもやたら暑い。 さきほどまでの涼しさはどこに行ったのだろう。 青森行きの電車から降りてきた女子高生も「暑〜い〜 何これぇ〜?!」とぐだっていた。 その電車は701系2両編成。立ち客も多い状況だ。 いつ乗っても奥羽線の普通列車は扱いが酷い気がする。 ディーゼルカーや客車より速い分救いがあるのかも知れないが、日中でも立ち客が出るようなぎりぎりのサービスでは地元の人の心は離れていってしまうのではないだろうか。

一方沿線の景色は緑が瑞々しく、"生きている"感じがする。 羽越・奥羽線は何度か乗っているが、いつも冬の時期ばかりで夏に来たのは初めてだ。 季節が変わると沿線の雰囲気もずいぶん変わるものだ。

弘前の駅前にマンションが建ちはじめていることに時代の流れを感じながらいつしか寝入ってしまい、起きたのは新青森到着。 こんな所に新幹線が出来てどうするのだろうねえ。 車社会だから案外駅なんてどこにあっても構わないのかもしれない。

あおもり駅 キハ58休憩所 キハ58休憩所 日本海との並び 寝台急行あおもり
日本海との並び 急行

青森に来てもまだ、暑かった。 大館では空調の効いた待合室があったが、青森にはない。 かつての青函連絡船寄港地だというにショボすぎる待合室は満席で、外と同じ暑さ。 とりあえずコンビニでお茶とパンを買い、駅前でじべたりあんして食いながらヒマのつぶし方を考える。 そうだ、青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸を見に行こう。 駅の北側にある青函連絡船を利用したミュージアムで、函館のそれより充実しているが、相当赤字らしい。 暑い中、重い荷物を背負って歩く。暑い暑いと口に出していなければやっていられない。 やがて黄色い船体が右に、キハ58の廃車体で作られた休憩所が左に見える。 フネに行く前にちょっと休憩していこうか。 休憩所の列車の中に木が生えてるし、なんだか哀れ。結局休憩してはみたが暑いことには変わりがないので、八甲田丸に行くのも面倒になってしまった。

駅に戻って考えた。涼しいところはどこだろう。 見るとドトールがあるので、ここならきっと冷房も効いているに違いない。 読みは当たった。ただしやたら混んでいたので喫煙席しか取れなかった。

一時間も休んだだろうか、人混みに気が引けて外に出てしまった。 急行青森の発車まではあと45分以上もある。 改札の前でじっと待つ。 と、JRの列車としては破格なことに発車30分前からホームに入線して車内に入れるようだ。助かった。

大館までの切符を買い、重い荷物を背負いホームに行くと、急行「あおもり」のホームだけやたら閑散としている。 列車は10両編成だから堂々としたものだが、ホームに人気がないのである。 他のホームの列車発着時のにぎわいがまるでない。所詮は地味な臨時急行なのだろうか。

なんということもなく急行「あおもり」は発車した。車内はガラガラのようだ。 運転停車を繰り返しながら津軽の国を南進する。 このあたりは内陸を走っているので海は見えない。 その代わりに雑然と並ぶ家並みと、時々緑の木々や森が見える。 日も傾き、人々も家路を急ぐ頃だろうか。 車内はしんと静まり返り、ただ轍の音だけが単調に響いていた。

583 サロネ寝台 サロネ寝台 サロネ寝台 車窓 寝台
サロネ581-6 車窓

その均衡を破った親子がいた。 日も暮れた鷹ノ巣駅で織り込んできた帰省帰りらしい関西弁の親子は、ベッドに入るなりああでもないこうでもないと話を弾ませる。 やっぱり関西の人は話が好きなんだろうなと思っていたら、そのガキにカーテンを開けられ寝台を覗かれてしまった。 どうも他の寝台がどうなっているのか気になるらしく、他にも空いている上の寝台に昇ったりしていた。 まぁね、そういうお年頃だもんね。

うつらうつらしながら車内の様子を伺っていると、少しづつではあるが乗客は増えているらしい。 日本海沿いの町々にこまめに停まってお客を拾うというのがこの列車の使命なのかもしれない。 秋田でかなりの乗車があったようだ。象潟を後にして酒田につく前に意識が途切れた。

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